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2026年10月26日

本社統合は広い建物なら大丈夫?部署の分断を防ぐ既存社屋活用の考え方

本社統合は広い建物なら大丈夫?部署の分断を防ぐ既存社屋活用の考え方

既存社屋へ本社機能を集めるなら、面積だけでなく部署間の連携・来客・設備容量を確認し、集約後の業務を検証する

既存社屋へ本社機能を集める場合、面積が足りるだけでは十分ではありません。部署間の連携、来客、情報管理、設備容量を確認し、統合後の一日の仕事が成立するかを検証することが必要です。席を配置する前に、人と情報がどう動くかを整理しましょう。

この記事のポイント

拠点をまとめれば会話が増えると期待しても、配置によっては部署がさらに分断される場合があります。広さの数字だけで判断せず、相談、承認、会議、来客対応、書類や荷物の扱いを確認します。既存社屋の強みと制約を見極めるための考え方を整理します。

今日のおさらい:要点3つ

  • 人数より先に、部署間で発生する仕事の流れを調べる。
  • 来客・情報管理・設備容量を席数と一緒に検証する。
  • 移転日から通常業務へ戻るまでの準備を計画する。

この記事の結論

本社統合は、机を収める計画ではなく、業務を一箇所で回す計画です。人員、共用機能、設備、運用の条件をそろえ、複数の配置案で仕事の動きを確かめることが重要になります。

席数の計算より部署間のやり取りを先に調べる

組織図と実際の仕事のつながりは異なる

組織図で近い部署が、日常も頻繁に連携するとは限りません。相談、承認、資料の受渡し、共同作業など、実際に発生するやり取りを整理します。毎日往復する相手と、月に一度会議する相手では、近接させる優先度が違います。

聞き取りでは「隣にいたい部署」だけでなく、どの仕事で何が困るかを確認します。機密性のため距離を置きたい関係もあるため、近づけることを一律の正解にしないでください。部署同士の希望が競合する場合は、仕事の頻度と影響を根拠に比較します。

在席人数は平均と集中時を分ける

外出や在宅勤務がある場合、平均的な在席人数だけで席数を決めると、全体会議や研修の日に不足する可能性があります。曜日や時間帯、繁忙期、来訪者を含めて人数の変動を確認します。将来の増員は確定計画と可能性を分けて示します。

共用席を採用する場合は、席数だけでなく、荷物、書類、機器、予約、清掃の運用が必要です。出社率が変わった場合にどう見直すかも決めます。新しい働き方を導入すれば床面積を必ず減らせるとは考えず、実際の業務条件で検証してください。

会議室と静かな作業場所を同時に計画する

統合後は打合せが増える一方、オンライン会議や集中作業の場所が不足することがあります。会議室は室数だけでなく、人数、利用時間、機密性、機器の条件で分けます。大きな会議室一つで小さな打合せもすべて処理しようとすると、予約が重なる場合があります。

逆に小部屋を多く作ると、床面積や空調、照明、換気の条件が変わります。予約記録など実際の資料があれば参照し、なければ一定期間の利用状況を把握します。架空の利用率を置くのではなく、確認できた情報と仮定を分けて設計者へ渡しましょう。

既存社屋の面積を使える場所に読み替える

図面の面積から固定条件を差し引く

床面積の中には、通路、階段、設備、柱、収納などが含まれます。机を置ける面積と、建物全体の面積を混同しないことが大切です。柱や窓、出入口、既存配管など、動かしにくい条件を図面へ示します。

同じ面積でも、細長い区画とまとまった区画では配置の自由度が違います。上下階に分かれる場合は移動と連絡の負担も変わります。面積表だけで結論を出さず、主要部署の配置と共用部への動線を入れた案を作って確認してください。

来客の動きと社内の動きを分ける

来訪者が受付から会議室へ向かう際、執務席や重要資料の近くを通るかを確認します。受付対応、待機場所、荷物の受取り、配送なども本社機能の一部です。案内しやすさと情報管理の両方から経路を検討します。

社員だけが使う出入口、来客用の入口、搬入経路を分けられるかは既存条件によります。分けられない場合は、入退室の運用やレイアウトでどこまで対応するかを考えます。防犯設備を増やすことだけで解決を図らず、担当者が継続できる受付方法を決めましょう。

収納と物流を余った場所へ押し込まない

統合で書類、備品、郵便、機器の量が増える場合があります。保管が必要なものと整理できるものを社内で分け、必要な収納を計画します。法令や社内規程で保存する資料は、移転を機に独断で廃棄しないでください。

倉庫や書庫の荷重、搬入方法は専門家に確認します。空いている部屋だから重い棚を置けるとは限りません。配送の受渡し場所、廃棄物や回収物の一時置きも含め、業務の裏側の動線を確保すると、執務空間が物で塞がることを防ぎやすくなります。

設備が統合後の使い方に対応するかを確認する

空調と換気は人数と間仕切りで条件が変わる

人員や機器が増えると、室内の負荷が変わります。間仕切りを新設すれば空気の流れや設備の配置にも影響します。既存の空調が動いているという事実だけで、統合後も十分とは判断できません。利用人数、運転時間、部屋の用途を設備担当へ伝えます。

厚生労働省の事務所衛生基準規則など、働く環境に関係する条件も確認が必要です。基準の適用と、各部屋で快適に使えるかの確認を合わせて行います。設備の能力や風量を担当者が推測で計算せず、設計条件を専門家と照合してください。

電源と通信は機器一覧で確認する

パソコン、複合機、サーバー、会議設備など、使用する機器を一覧にします。既存のコンセント数が足りても、必要な電源容量や系統が整っているとは限りません。通信回線の引込み、無線環境、配線経路、重要機器の設置場所も確認します。

回線の手配や社内ネットワークの設定は、建築工事とは別の担当になる場合があります。工事会社、通信事業者、社内情報システム担当の分担を決め、稼働確認の時期を合わせます。内装完成を業務開始準備の完了として扱わないことが大切です。

駐車と共用設備も統合人数で検証する

建物内に席が入っても、駐車場や駐輪場、トイレ、休憩場所が不足する場合があります。従業員、来客、配送の利用が重なる時間を確認します。近隣施設を利用する案は、契約や移動、安全面の条件を調べてから比較します。

休憩室や更衣スペースは、同時に使う人数と時間で考えます。一日の総人数だけでは、集中時の混雑が見えません。部署ごとの就業時間が異なる場合も、その違いを運用計画へ反映します。共用機能を削って席だけ増やす案には、残る負担を明示してください。

配置案と移転手順を具体的に比べる

日常の業務を図面上でたどる

複数の配置案を作ったら、出社、会議、来客、書類確認、荷物の受渡しなど、実際の一日を図面上で確認します。移動が多い部署、静けさが必要な場所、来客と交差する場所を示すと、面積の数字には出ない違いが見えます。

内藤建設の設計部の案内では、ヒアリングからプランニング、設計、監理までの流れが示されています。既存社屋の活用相談では、希望する席数だけでなく、業務のつながりと設備条件を持ち込むと、検討すべき配置を具体化しやすくなります。統合による効率向上の数値は、個別の運用検証なしに決められません。

一度に移す案と段階移転を比較する

一斉移転は準備をまとめやすい一方、トラブルが同時に業務全体へ影響する可能性があります。段階移転は稼働を確認しながら進められますが、拠点が分かれる期間の連絡や二重運用が必要です。工事費だけでなく、移転中の仕事の維持方法で比較します。

移転前には、回線、電話、入退室、業務システム、会議機器などの動作を確認します。重要業務については、利用開始できない場合の連絡と代替手段を用意します。荷物が届いた日ではなく、必要な業務が開始できる条件を確認した日を節目にしてください。

統合後の見直しを計画に含める

使い始めた後は、会議室の混雑、音、来客対応、移動の負担などを記録します。配置を変えられる余地と、設備工事が必要な変更を区別します。初回の設計だけで最適な運用が確定すると考えず、確認時期と担当を決めておくことが重要です。

意見の数だけで配置を変えるのではなく、業務への影響と改善の条件を見ます。家具を動かす場合でも、通路や避難、電源配線を妨げないか確認します。統合後の図面と座席表、設備情報を更新し、実際の状態と管理資料を一致させましょう。

よくある質問

Q1. 人数分の机が入れば本社統合できますか?

A1. 会議、来客、収納、設備、共用部も確認が必要です。机の配置だけでは、通常業務が成立するか分かりません。日常の行動を図面上でたどって検証します。

Q2. 同じ階に集めれば連携は良くなりますか?

A2. 自動的に改善するとは限りません。部署間の仕事の関係と配置、会議の運用などが影響します。近づけたい理由と、静けさや機密性が必要な理由を整理して比較します。

Q3. 既存空調はそのまま使えますか?

A3. 人数、間仕切り、運転時間、機器負荷などによります。現状の能力と状態を調べ、統合後の条件に合うかを設備担当へ確認します。動いているから十分とは判断しないでください。

Q4. 共用席を導入すれば面積を減らせますか?

A4. 在席状況と運用によります。集中する日、荷物、予約、機器の条件を確認します。平均出社率だけで席を減らさず、変動時に対応できる方法を検討してください。

Q5. 機密性の高い部署はどこへ置きますか?

A5. 来客動線、周囲の会話、書類保管、入退室の条件を踏まえて決めます。組織図だけで配置せず、扱う情報と実際の業務に合わせて、必要な区画と運用を設計者へ伝えます。

Q6. 移転を休日に行えば業務停止は避けられますか?

A6. 回線や機器の確認、荷物の復旧が間に合うかによります。休日作業だけで解決すると考えず、通常業務を始められる条件と代替手段を計画します。

Q7. 最初に集める資料は何ですか?

A7. 既存図面、人員と在席状況、会議や来客の実態、設備一覧です。部署間のやり取りと将来計画も整理します。不明な設備容量は推測せず、調査項目として相談してください。

まとめ

本社統合は、広さから業務全体へ視点を広げて判断します。部署間の連携、来客、収納、設備、移転後の運用を合わせて検証することが重要です。まず各部署の一日の仕事と、他部署との受渡しを整理し、既存図面上で成立するかを確かめてください。

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